宝石・貴金属・装身具卸売業の主力取扱商品を分類すると、貴石(ダイヤモンド、サファイヤなど)の指輪を主に扱う業者、半貴石(トパーズ、ガーネットなど)の指輪を主に扱う業者、真珠製品を主に扱う業者、ネクタイピンやブローチなどを主に扱う業者に分けることができる。
宝石業界は複雑な流通ルートを持つことが特徴。多くの卸売業が介在するため、その分の利ざやが末端価格に上乗せされる。近年はより安い商品を消費者に提供するため、小売業者が原石産出国へ直接出向いて買付を行い、現地に建設した工場で加工・輸入を行うケースが増えており、業界全体で流通経路簡素化の動きが出てきている。また真珠を除き、日本で産出されるものはほとんどなく、輸入に頼っているので海外市場の動向と為替相場に大きく左右されることが特徴として挙げられる。
卸売業を取り巻く状況は厳しくなっており、同業者どうしの競争もますます激しくなるのに加え、製造業者主導の系列化が進んでいくことが予想され、卸売業自体も系列に組み込まれる可能性が高い。こうした中で存在感を発揮するためには、商品企画力を強化し小売店に対し影響力を持たなければならない。また宝石の価値を見極める能力を持たないと屑石ばかり仕入れる羽目になってしまうので、現状の閉鎖的な体質を改め、能力のある人材を育てる必要がある。
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