事務用機械器具には、パソコンやプリンタ、コピー機、ファクシミリなど、今のオフィスに欠かすことのできないものが多く含まれている。購入するには高価な機器もあり、規模の大きなオフィスでは複数の設置を必要とする場合もあることから賃貸業への需要を求める企業は多く、事務の機械化が進む時代のニーズに適したサービスだといえる。
従来は短期間契約のレンタル方式が多く取られてきたが、パソコンやコピー機といった高価な機器を取扱うようになった現在では、リース方式による長期契約の取引が増えている。
「サービス業基本調査(総務省統計局発表)」によると、平成16年現在で「事務用機械器具賃貸業」の事業所数は629ヵ所あり、事務用機器以外の物品も幅広く扱う業者や、大手OA機器メーカー、不動産関係といった企業による兼業も多く見られる。オフィスへのパソコンや周辺機器の大幅な普及による効果もあって、企業の総収入額は約1兆9666億円と、前回調査(平成11年)に比べて約2倍の大幅な伸び(195.9%)を見せている。
今後もOA機器の高度化は進んでいくものと見られ、各企業がコストを抑えた経済的な利用を計画する上で賃貸業へのニーズはさらに高まっていく期待がある。その一方で今後予想される、市場の膨らみによる業者間競合を視野に入れる意味では、貸与後の取引先に対するアフターサービスの充実にも目を向けていかねばならない。
パソコンやコピー機といった精密機器は、利用頻度の高さから使用中のトラブルも少なくないため、会社業務に滞りが出ないよう修理や点検など、迅速な対応が取れるネットワーク作りの強化に努めておきたい。また企業向けのみならず、家庭における需要やSOHO(在宅勤務)の発展に合わせた個人ユーザーに対してのサービスも利益拡大には有効と考えられる。
《参考サイト》
◆◆ リース方式 ◆◆
特定の物件をリース会社が購入し、企業など特定のユーザーに対して長期(1年以上)にわたって貸与する取引の契約で、期間中の解約が認められていない。コンピュータ関連機器、通信機器、自動車などが利用物件としては多い。
◆◆ レンタル方式 ◆◆
あらかじめ会社が保有している物件を、不特定多数へ短いサイクルで貸与する契約。中途解約も可能であり、短期間の一時的な利用に適している。
◆◆ 事務機械製品の安全確保のための表示に関するガイドライン ◆◆
製造者による安全な製品の供給と使用者による安全で正しい取扱いに配慮し、社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会が作成した。