ボイラとは燃料を燃焼させる熱エネルギーにより、水を水蒸気や温水に換える熱源機器で、炉・ボイラ本体・付属品と付属設備からなっている。蒸気ボイラと温水ボイラに大別され、煙管ボイラ・水管ボイラ・鋳鉄組合わせボイラなどの種類がある。産業機械向けを中心に幅広い需要先を持ち、発電や加熱熱源、暖房給湯用などに用いられている。

経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、4人以上の従業員を有する事業所数は101ヵ所、従業員数は9819人。従業員数9人以下の事業所が約3割を占め、比較的中小、零細色の強い業種となっている。重量製品が多く、輸送コストがかかり、輸送費を製品に転嫁するか、別途輸送費を需要先に請求するかは各メーカーによって対応が異なる。
近年、ボイラの生産量は減少傾向にあった。しかし、日本ボイラ協会が発表した受注・生産見通しを見ると、景気回復を背景に民需が拡大。紙・パルプ、化学・石油製品、造船の各製造業向けが好調で、外需も中東、欧州向けの大型受注が増加し、平成17年度の受注高は1兆2306億円と見込まれている。
環境問題への関心が高まっており、燃焼時に発生する窒素酸化物や硫黄酸化物などを低減させるボイラの開発を行う必要がある。またエネルギーの再利用という観点から、廃熱や発生蒸気を再利用する技術の開発も進められ、今後の動向が注目される。