原木から板材や角材を作る製材機械、製材によって加工された木材を家具や建具に2次加工する木材加工機械、単板を張り合わせる合板機械など、木工機械には様々な種類がある。専門加工分野に特化して生産を行うメーカーが大半で、需要先の使用目的によって仕様が変わってくるため、受注生産の割合が高い。また主要な需要先である製材業・木材加工業・住宅関連業などの業況に大きく生産を左右されるのが業界の特徴といえる。
経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、従業員を4人以上有する事業所数は181ヵ所、従業員数は3239人。市場規模は681億円であり、中小や零細のメーカーが大半を占めている。
各機種別に需要動向を見ると、木材加工機械はバブル崩壊後、主要需要先の家具・建具メーカーの業績不振などで需要の減少が続き、経済産業省の「工業統計調査 品目編」によると、出荷額は平成4年の888億円から14年には285億円(対4年比32.1%)にまで落ち込んだ。
しかし最近の景気回復を背景に、ハウスメーカーからのプレカット機を中心とした受注が復調を見せており、平成16年の出荷額は314億円で対前年比110.2%となっている。製材機械と合板機械は、木材の輸入規制などで製材・合板ともに東南アジアや北米から輸入が増えていることのあおりを受けて需要は激減。平成16年の出荷額は製材機械が42億円(対4年比19.1%)、合板機械が133億円(同40.9%)と厳しい状況が続く。
受注から出荷までの自動制御・ネットワーク化志向が需要先では強まっており、単体での機械投資は減少傾向。そのため、各メーカーとも自社の得意とする分野の機械を、いかにして需要先のプラントに組み込んでいけるかがカギとなってくる。
そのため、今までの自社ブランドでの生産だけではなく、他メーカーへのOEM(相手先ブランドで販売される製品を製造すること)供給や共同での受注を獲得することを検討する必要がある。また木工機械技術の応用範囲は広がりつつあり、営業力を強化して木材加工業以外への需要を増やしていきたいところだ。
《業界情報サイト》
◆◆ プレカット ◆◆
建築用の構造材を、あらかじめ工場で現場で使用しやすいサイズや形加工しておくこと。現場での作業を軽減することができ、建築期間を短縮したり、人件費の抑制につながる。一定以上の品質を保つことができるようになり、木造軸組工法によって家を建築する住宅メーカーや工務店の多くがなんらかのプレカット材を使用している。また、設計図面のコンピュータ化により、CAD入力と連動して、必要な部材の加工データを機械に判断させ、自動で木材を加工する技術なども開発されている。