洋紙とは木材などのパルプや古紙を機械的、化学的に処理して作る紙を指し、印刷情報用紙・包装用紙・衛生用紙などに分けられる。現在国内で流通している紙のほとんどは洋紙であり、会社や学校など、普段の生活において無くてはならないものとなっている。
生活必需品である紙の需要は安定しており、日本製紙連合会が発表した平成17年の紙・板紙内需実績見込みは3189万トンで、前年とほぼ変わっていない。品種別に見ると個人消費の持ち直しを背景に、商業印刷向けの塗工印刷用紙を中心とした印刷・情報用紙が前年に続いて過去最高を更新した。またティッシュペーパーなどが含まれる衛生用紙も好調だ。一方で工業用(壁紙用原紙など)や家庭用(障子・ふすま用など)の雑種紙生産は落ち込んでいる。同連合会では依然堅調な印刷・情報用紙が需要を牽引すると予想し、平成18年の需要予測を前年比0.2%増の3196万トンとしている。

財務省の貿易統計によれば、平成18年の紙・板紙の輸出量は、前年の147万8000トンから約4万トン増の151万3000トンとなった。輸入に目を転じると、およそ10万トン減の197万6000トンとなっており、増加傾向が続いていた輸入量には歯止めがかかった形になっている。
日本製紙連合会は省資源・省エネルギーなどの環境問題に対応するため、平成17年までに古紙利用率60%の目標を掲げていたが、平成16年には60.4%と目標を達成し、さらに利用率を上げようと努力を続けている。製紙業はエネルギー多消費型産業といわれてきたが、平成22年までに使用エネルギー量を平成2年比で10%削減することを努力目標としており、バイオマス(再生可能な有機性資源)燃料の使用を増やすなど、業界が一致団結してクリーンな産業への脱皮に努めている。